(台中中央社)中部・台中市で10月末のプレオープンに向けて準備が進む文化施設「台中緑美図」で23日、先行公開イベントが行われた。設計は金沢21世紀美術館(金沢市)などを手がけた、妹島和世さんと西沢立衛さんによる建築ユニットSANAA(サナア)が、台湾の建築家、劉培森(リッキー・リウ)さんと担当した。
台中緑美図は市立の美術館と図書館からなる複合施設。先行公開には盧秀燕(ろしゅうえん)台中市長や妹島さん、西沢さん、劉さんが出席して紹介した。
ロビーに入ると二つの円形のガラス棟が目に入る。一方は総合受付、もう一方は地下の公共空間へとつながっている。ホール上部には連絡橋が設けられ、さまざまな視点から建築を観察できる他、アート作品も眺められる。中央にはステンレス製の水場があり、外の緑や風景を映し出すとともに、館内の温度調整の役割も果たすという。
盧氏は、施設が台湾のみならず、世界レベルのランドマークになると言及。市の予算のみで建設したとし、施設は市民にささげるものだと述べた。
妹島さんは、施設が大規模な公園内にあり、美術館と図書館の機能を兼ね備えた空間であることに触れた上で、新しい文化が誕生するはずだとコメント。市民の使い方によって、想像できないようなものが次々と生み出されるだろうと語った。
西沢さんは「特定の用事がなくてもふらっと訪れてくつろげる、公園のような場所が建築になれば」との思いを込めて設計したと説明。公園の中を回遊したり、休憩したりするような形で美術館と図書館の両方を体験してもらえればと期待を寄せた。
市の報道資料によれば、10月28日から11月16日までプレ営業を行った後、12月13日に正式に開館する予定。