(台北中央社)台湾で今月、第2次世界大戦に関する人々の記憶をまとめた書籍2冊が出版された。台湾人日本兵の出征や空襲、疎開、闇市での体験などが収録されており、15日に台北市内で行われた関連イベントで関係者は、二度とこのような戦争が起きてほしくないと強調した。
出版されたのは「終戦八十全民写史」と「氷封的記憶」。台湾に関する歴史資料の収集・整理に取り組む呉三連台湾史料基金会と前衛出版社が手掛けた。
同基金会の戴宝村董事(理事)は、昨年欧州で高齢者に第2次大戦に関する歴史を語ってもらう取り組みが行われたと紹介。同基金会も昨年から関連の写真や文章の提供を広く一般に募集し、「終戦八十全民写史」にまとめたと説明した。
同基金会の呉樹民董事長(会長)は、台湾人は自らの歴史を理解していないと指摘。台湾主体性の構築はいまだにできていないとし、引き続き努力する価値があると語った。
中央通信社の李永得会長は、台湾人が第2次大戦に深く関わっていたことを多くの人が知らないと強調。これまでさまざまな要因で話せなかったり、重視されなかったりしたが、現在は多くの人が記憶を書き残す意欲を持ち、当時の歴史的環境を議論し、貴重な歴史を追求できるようになったのは喜ばしいことだと語った。また今後さらに多くの物語が記録されることに期待を寄せた。