(台北中央社)台湾のユーチューバーが公開したドキュメンタリー動画内で、10万人以上の台湾人が“中国の身分証”を所持していると言及されたことが台湾で話題となっている。頼清徳(らいせいとく)総統は1日、「ただより高いものはない」という言葉はその通りで、一時の利益のために誤った道に進まないよう呼びかけた。
昨年12月28日に公開された動画では、ユーチューバーらが中国福建省・アモイにある「台湾青年創業基地」を訪問し、中国側が起業支援金を餌にして台湾の若者を引き付けていると紹介。また中間業者だという匿名の人物が電話で、現時点で10万人以上の台湾人が中国の身分証を所持していると語った。動画は1月1日午後までに約170万回再生されている。
頼氏は、1日の新年談話発表の際に報道陣からの取材に応じた。中国の(一部の)人々はあの手この手で民主主義国家への密入国を試みていると指摘した上で、台湾人が中国に渡って身分証を手にすることは「どう考えても価値がなく、良い考えではない」と述べた。
また、民主主義や自由は金銭では替えられない非常に価値があるものだとし、今誤った道に進めば、将来さらに大きな対価を支払うことになるだろうと言及。その上で、対等かつ尊厳を持ち、健全で秩序ある交流を中国と行うことを歓迎すると話した。