パリ第7区に位置するカトリックの宣教会ではイエスが生まれた馬小屋を表現した各国の作品が展示されている。中でも台湾原住民(先住民)族の特色が取り入れられたアミ族出身の木彫化家、陳権栄 (Atang、阿噹 )さんの作品がメイン作品として選ばれ、注目を集めている。
同展はパリ外国宣教会がクリスマスの時期に開催。同宣教会は毎年、一つの国の作品をメイン作品として選出しており、台湾が選ばれるのは初めて。現在、75件超の作品が来年1月10日まで展示中。
イエスの誕生場面を描写したオブジェでは、マリアやヨセフ、動物の牛、ロバなどがイエスを温かく見守る様子を描くのが普通だが、陳さんの作品では、原住民の伝統衣装を身につけた人たちの他、先住民文化でお馴染みのイノシシやキョンなどの動物も姿を見せている。
中央社の取材を受けた同宣教会の神父は、場所柄もあって、陳さんのスケールの大きい作品に行き来する買い物客や観光客の目が釘付けになることがよくあると説明。「とても評判がいい」と明かした。神父によれば、陳さんが手掛けたこの作品は展示終了後も、パリに残るという。
パリ第7区には各国大使館や政府機関が集まり、老舗百貨店や高級食料品店などが点在するエリアとして知られる。

