(台北中央社)商業施設建設を巡る収賄や総統選期間中の政治献金横領などで腐敗防止条例違反や公益上横領罪などに問われている前台北市長の柯文哲(かぶんてつ)被告の裁判が24日、台湾台北地方法院(地裁)で結審した。検察が懲役28年6月を求刑したのに対し、柯被告は同日、無罪を訴えた。判決は来年3月。
台湾台北地方検察署(地検)は昨年12月、台北市長在任中に商業施設建設を巡って事業者に便宜を図り、1710万台湾元(約8220万円)の賄賂を受け取った他、総統選期間中に集まった政治献金数千万元を横領したなどとして柯被告を起訴した。同事件では商業施設の親会社トップや野党・国民党の台北市議ら10人も起訴された。
台北地裁では15日から口頭弁論が行われ、24日には柯被告らが証言台に立った。検察官は、柯被告が法廷で検察官をののしったり、支持者による検察や裁判官への圧力を容認したりしたなどと指摘。犯行後の態度が良好ではないとし、起訴状に記載した通り、懲役28年6月の判決を下すよう裁判所に求めた。
柯被告は、起訴状では全ての事柄について最も悪意のある解釈がされていると主張。起訴状は「まさにネット工作部隊大全とも言える大作だ」と述べた。
判決は来年3月26日に言い渡される。