(台北中央社)卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は2日、立法院院会(国会本会議)出席前に報道陣の取材を受け、「中華民国と中華人民共和国は当然ながら互いに隷属しない」との認識を明らかにした。またこの現状を全国の人々が精いっぱい守らなければならないと語った。
中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しないとの認識を巡っては、頼清徳(らいせいとく)総統が5月20日の就任以降、1カ月余りのうちに4度、同様の発言をしており、中国側から批判の声が上がった。台湾で対中政策を担う大陸委員会の梁文傑(りょうぶんけつ)副主任委員は1日、頼総統の発言について「違憲ではない」と説明していた。
一方で、野党・国民党の馬英九(ばえいきゅう)元総統が董事長(会長)を務める馬英九基金会の蕭旭岑執行長(CEO)は同日、中国大陸を別の国だと見なすことを公にした場合、大陸委は存在の理由を失うと批判。また中華民国憲法は「一つの中国」に基づく憲法であり、台湾と中国大陸は同じ国に属し、現在の両岸は統一前の特殊な状態だと主張した。
これを受けて卓院長は、現状でいえば互いに隷属していないと改めて強調。この現状はインド太平洋地域の安全と安定に最も資するとし、この方向に向けて最大限の努力をすると述べた。