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国民党副主席が中国高官と会談 中国船転覆巡り発言 民進党「台湾人悲しませる」

2024/03/01 20:21
上海市内のホテルで国務院台湾事務弁公室の宋濤主任(右)と会談する国民党の夏立言副主席(国民党提供)
上海市内のホテルで国務院台湾事務弁公室の宋濤主任(右)と会談する国民党の夏立言副主席(国民党提供)

(上海、台北中央社)最大野党、国民党の夏立言(かりつげん)副主席(副党首)は2月29日、中国で対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の宋濤主任と中国・上海のホテルで会談し、中国に近い離島・金門の周辺海域で先月起きた中国船の転覆事故について、「民進党政権を監督する」と述べた。これを受けて民進党は1日、夏氏の発言は「台湾人を実に怒らせ、悲しませるものだ」と非難した。

先月14日、台湾が金門周辺に設定する「制限水域」や「禁止水域」に入った中国の船が海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)の追跡を受けた際に転覆し、中国船乗組員4人のうち2人が死亡した。これを機に、中国が金門周辺海域でのパトロールの常態化を発表するなど、両岸(台湾と中国)の緊張が高まっている。

宋氏は事故について「民進党当局は大陸の漁業従事者に対して粗暴な扱いをした」とし、「人命を軽視しており、冷淡で非情だ」と批判した。夏氏は「われわれは民進党政権を監督、促し、必ずやこの件を適切に処理し、早急に事実を発掘できるようにする」と語った。

民進党はフェイスブックで、夏氏は海巡署職員を擁護しなかっただけでなく、中国に同調して「民進党政権を監督する」との発言をし、台湾人を怒らせ、悲しませたと指摘。2022年8月に夏氏が訪中した際には国民党の若い世代が反対の署名を行い、侯友宜(こうゆうぎ)新北市長や盧秀燕(ろしゅうえん)台中市長らも相次いで反対意見を表明したものの、今回は「これらの人々はどこに行ったんだ」と疑問を投げかけた。

その上で国民党に対し、中国の統一戦線の枠組みに繰り返しはまらないよう呼びかけ、「心から台湾のことを思うなら、海巡署職員と漁業従事者の権益を守るべきであり、中国側に同調して品格を損なうべきではない」と訴えた。

(張淑伶、温貴香/編集:名切千絵)

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