台北市内で10月下旬、世界各地から100種類以上のクラフトビールを集めた「ビアフェス台北2015」が開催された。クラフトビア・アソシエーション(日本地ビール協会)の田村功氏によれば、クラフトビールとは味と香りを重視して作られるビール。台湾のビールといえば、レストランやスーパーなどでよく目にする台湾煙酒の「台湾ビール」(台湾[口卑]酒)が一般的だが、ここ数年では海外のコンテストで賞を獲得するクラフトビールメーカーも登場している。前編と後編に分け、同イベントに出展した9ブランドのこだわりビールを紹介する。
台湾産の原料を使用し「台湾味」にこだわる酒造。2006年に台湾初のライチビールを発売し、好評を得た。メタルバンド、ソニック(閃霊)や台北Wホテル、男性誌GQなどとコラボレーションした商品も開発している。
ノースタイワンブルワリーの段淵傑さんと宋培弘さん、葉奕辰さん3人のビール好きによって結成されたブランドで、二十四節気をテーマにした商品が特徴。「立夏」はインターナショナル・ビアカップ2015で銀賞を、東方美人茶を原料にした「立秋」は銅賞を獲得している。
在コロンビア華僑の游承亜さんが手掛けるブランド。ブランド名の「五十五街」は游さんの生まれた住所から名付けられ、故郷と家族への思いを象徴している。「桂円琥珀[口卑]酒」は麦芽とリュウガンを一緒に入れて発酵させて作られる。苦味の中にもリュウガンのほのかな甘みを感じられる一品。
カナダ人のオーナー、2人のアメリカ人ビール醸造師によって設立されたブランド。プロジェクトマネジャーの蘇家慧さんによると、台湾でなかなか口に合うビールが見つけられなかった3人が自家醸造を楽しんでいた際に知り合い、創設されたという。自慢は「アメリカ本場の味」。原料はアメリカから輸入。商品はアメリカ出身者が多く集まるバーなどで提供され、好評を得ているという。
(後編に続く)