台湾は日本統治時代に林業の拠点とされた阿里山(南部・嘉義県)を「阿里山林業・鉄道文化景観」として世界遺産に登録することを目指している。与党・民進党の蔡易余立法委員(国会議員)は7日、日本統治時代に阿里山林業鉄道が建設されたことを背景に、国境をまたぐ世界遺産として申請されるよう、日本との連携を模索すべきだと訴えた。
阿里山は日本統治時代、台湾の三大林場の一つとされ、木材運搬のために林業鉄道が建設された。
蔡氏は、阿里山林業鉄道が日本統治時代に建設されたという歴史的背景は、世界遺産登録を申請する上で重要な要素になると指摘。林業鉄道を世界に知ってもらうには歴史を正視し、日本との連携を模索する必要があるとし、国連加盟国の日本が国をまたぐ世界遺産として申請して初めて、阿里山林業鉄道を世界遺産入りさせられる可能性が拓けるとした。
候補地を世界遺産に推薦するためには、国連教育科学文化機関(ユネスコ)で採択された「世界遺産条約」の締約国である必要がある。だが台湾は国連に加盟しておらず、同条約も締結していない。