(台北中央社)日本統治時代に台湾の水利事業に大きく貢献した日本人技師、八田與一の逝去から83年となった8日、南部・台南市の烏山頭ダムで慰霊祭が行われた。頼清徳(らいせいとく)総統も出席し、八田の貢献に感謝の意を表した。
八田は日本統治時代、南部のかんがい施設、嘉南大圳の設計や烏山頭ダムの建設に携わった。
頼総統は台南市長在任中の2011年から毎年慰霊祭に出席している。あいさつで、八田が建設した烏山頭ダムは台南を台湾の米どころにしただけでなく、商工業の発展を後押ししたとたたえ、半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の先端半導体、回路線幅3ナノ(ナノは10億分の1)メートル品の製造プロセスにも烏山頭ダムの水が使われていると紹介。八田の貢献は農業、工業、商業に及び、台湾全体にプラスの貢献をしたと語った。
慰霊祭は農業部(農業省)農田水利署が主催。台南市の黄偉哲(こういてつ)市長や日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(大使に相当)、八田の孫の八田修一さん、八田の出身地である石川県金沢市の村山卓市長らが出席した。
(編集:名切千絵)