(東京中央社)台湾のクリエーターと兵庫県の工芸とのコラボレーションで生まれた作品を展示する催しが先月下旬、大阪・関西万博会場内で開かれた。6人のクリエーターが丹波焼や淡路瓦、神戸レザー、豊岡かばんなどの産地とコラボした作品8点を展示し、兵庫のものづくりと台湾デザインの融合で生まれた新たな価値を紹介した。
展示は神戸ファッション協会が主催した「ひょうご国」の中で行われ、台湾のデザイン振興組織、台湾デザイン研究院が企画・デザイン協力した。
台湾デザイン研究院と神戸ファッション協会は昨年、連携事業の覚書を締結。台湾のクリエーターは兵庫を訪れ、現地の工芸や職人技術を学びながら各工芸の産地と密接に連携してきた。また、台湾で製造業が盛んな中部・彰化とも連携し、彰化産の素材と兵庫の工芸を融合させた。
台湾の工業デザイナー、周育潤さんと台湾師範大学の学生は淡路瓦とコラボ。淡路島の線香工芸に着目し、「線香台」を生み出した。淡路瓦を小型化して重ねることで屋根の風景を表現した他、下部にはお線香の収納機能、基台には再生瓦の砕石を用いて、実用性と自由度を両立させた。
丹波焼とのコラボでは、台湾の有名フラワーショップ「CNFlower」の創業者である凌宗湧さんがデザインを手がけ、丹波焼の伝統技法と彰化の蘭文化を融合した器皿を作り上げた。
台湾デザイン研究院は、同展を通じて台湾と日本のデザイン交流がさらに深まるよう期待を寄せた。