日本語では動詞が補語の後ろにつくが、中国語ではまさにその正反対だ。
旧日本軍には「歩兵操典」というフィールドマニュアルがあった。日本統治時代、多くの台湾人はそれを中学校の配属将校に読まされ、軍人勅諭などは暗誦させられた。マニュアルには「連隊長は意見を具申する」との一文がある。それを蒋介石元総統が士官学校で候補生に教えようとしたが、翻訳者は日本語がそれほど上手ではなかったので「意見を具申する」を「意見具申」と訳した。
古い日本語には、漢字がずらりと並んだものが多い。このため、20世紀の初め、中国人翻訳者の一部が分からない日本語に出会ったら、漢字をそのまま並べ、あとは知らん顔を決め込んだ。
ちなみに、今の中国語には、日本語を「当て字」の形で表す「流行語」がどっさりある。「甘巴茶(頑張って)」や「卡哇伊(可愛い)」はその好例だ。