アプリで読む
ダウンロード

渡りチョウ「ルリマダラ」、越冬で台湾南部に 複数の政府機関が連携して保護

2025/01/30 17:16
南部・高雄市と屏東県にまたがる茂林国家風景区にたどり着くルリマダラ属のチョウの数々=同風景区管理処提供
南部・高雄市と屏東県にまたがる茂林国家風景区にたどり着くルリマダラ属のチョウの数々=同風景区管理処提供

(高雄中央社)越冬や繁殖のために台湾本島を南北に集団移動することで知られるルリマダラ属のチョウが、南部・高雄市と屏東県にまたがる茂林国家風景区にたどり着き、「ルリマダラの谷」(紫蝶幽谷)と呼ばれる独特な光景を作り出している。年々数を減らすチョウを守ろうと、複数の政府機関が連携して保護に取り組んでいる。

同風景区管理処の職員によれば、ルリマダラ属のチョウの特徴は、前側の羽(前翅)の裏側が紫色で光沢があり、羽ばたくと鱗粉(りんぷん)が日光を反射して角度によって淡い紫や鮮やかな紫、青などの色合いを放つことだという。

同管理処は、チョウの個体数は減少しており、近年の調査によれば越冬するチョウの数は1960~70年代の3分の1にまで減っていると説明。台湾南部に甚大な被害をもたらした2009年の台風8号や、観光推進のために行われたコンクリート舗装、異常気象が原因となっている可能性があると指摘した。

チョウが高速道路を横切る際に通行車両と衝突して死んでしまう問題については、交通部(交通省)高速公路局がチョウが飛ぶ高度を上げる効果がある木を植えたり、高さがある防護柵を設置したりして対策。横断するチョウが一定数に達すると一部の車線を通行止めにする措置も取っている。同管理処によればこれらが功を奏し、チョウが高速道路を横切る際に死んでしまう確率が、約4%から0.3%以下にまで下がった。

同管理処はまた、高雄市茂林区公所(役所)と共にチョウの自然景観を資源としたエコツーリズムを推進し、世界にアピールしている。農業部(農業省)林業・自然保育署屏東分署とは、チョウが蜜を採取する植物を調査し、在来種の苗の保護や育成、植栽を行ってチョウに優しい環境を整備しているという。

(張已亷/編集:田中宏樹)

> 中国語関連記事
私たちはあなたのプライバシーを大切にします。
当ウェブサイトは関連技術を使用し、より良い閲覧体験を提供すると同時に、ユーザーの個人情報を尊重しています。中央社のプライバシーポリシーについてはこちらをご覧ください。このウインドウを閉じると、上記の規範に同意したとみなされます。
106