(台北中央社)中部・台中市の養豚場でアフリカ豚熱(ASF)の感染が確認された問題で、検査で陽性反応が出てから4日で2週間が経過した。ASF中央災害対策センターは3日、疫学調査の結果を公表し、感染拡大やウイルスの拡散は確認されていないと発表した。
台中の養豚場1カ所でブタの死亡が相次いでいたことから、死んだブタを10月21日に検査したところ、陽性反応が出た。その後の詳しい検査で25日に感染が確定した。
対策センターの報告によれば、今回の感染は単独で発生した事例で、感染源も単一。これまでに全国の養豚場や食肉処理場、食肉市場などで行った検査で、感染例や陽性反応は確認されなかった。
感染の原因は、ブタに餌として与えていた食品残さ(生ごみ)の加熱処理を行っていなかったことが可能性として挙げられた。
疫学調査チームに加わる専門家の蔡向栄氏(元台湾大学獣医学部教授)は、今回の感染が食品残さを食べた個体から始まり、その後、一般の飼料を食べた子豚や種豚に広がった点を指摘。食品残さを食べた個体群と飼料を食べた個体群の死亡率に、統計学的に有意な差があると述べた。
報告では、感染があった養豚場の他に、出どころが同一の食品残さを飼料として与えていた養豚場が1カ所あり、もし同じタイミングでブタに与えていたならば、双方で異常が発生するはずだと言及。問題の養豚場では加熱処理を行っていなかったため感染が起きたが、もう一方では規定通りに加熱処理をしていたため、問題が起きなかったと説明した。
10月22日から全国でブタの移動と食肉処理が禁止されている。卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は今月4日、報道陣の取材に対し、禁止措置の継続について5日の会議で検討すると述べた。


