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130億円相当の薬物密輸で男逮捕 台湾・高雄 若者の乱用広がる「エトミデート」

2024/11/27 19:08
検察が押収したエトミデート入りの袋(橋頭地方検察署提供)
検察が押収したエトミデート入りの袋(橋頭地方検察署提供)

(高雄中央社)大麻やコカインと同等の2級薬物に指定されている麻酔薬「エトミデート」135キロを密輸した男が、10月に南部・高雄市内で逮捕されたことが分かった。末端価格は最低でも27億台湾元(約126億円)相当に上る。台湾では若者の間でエトミデートの乱用が広がり、今年に入ってから社会問題となっている。

内政部警政署(警察庁)保安警察第3総隊が27日に開いた会見で発表した。警察が10月初頭、高雄国際空港に到着した「化学品」として輸入申請された貨物について、事前申告の重量が途中で大きく修正されていたため、疑わしいと判断。地検が指揮するプロジェクトチームが捜査したところ、ドラム容器の底にエトミデートが27袋に分けて隠されているのを発見した。同月11日、貨物の受取人の男が密輸の疑いがあるとして逮捕された。

検察や警察の調査によれば、男は今年5月に薬物運搬グループと接触。30万元(約140万円)の報酬と引き換えに薬物の受け取りや輸入通関手続きなどを請け負った。検察は悪質性が高いとして、懲役15年を求刑するとしている。

エトミデートを巡っては、違法業者が電子たばこ用のリキッド(溶剤)に添加し、「合法代替大麻」をうたってクラブやSNSで若者らに販売。不適切に摂取すると手や全身の震え、立ちくらみ、永久的な神経損傷などを引き起こし、最悪の場合は呼吸停止で死に至る。エトミデートを使用したとみられる人が運転する車に衝突された警察官が死亡する事件も複数発生している。

行政院(内閣)は8月、エトミデートを製造や輸送、販売、5グラム以上の所持などを禁じる「3級薬物」に指定。今月15日には禁止事項や刑期、罰金・過料などがより重い「2級薬物」に引き上げた。

(洪学広/編集:田中宏樹)

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