(台北中央社)住宅価格の高騰が社会問題となっている台湾では、住宅の所有者に課せられる「家屋税」(房屋税)の税率が来年5月に調整される。財政部(財務省)の関係者は、所有者自身や配偶者などの居住を目的としない「非自己用」の住宅を所有する人の大半が増税の対象になるとの見方を示している。
台湾では家屋税条例により、住宅は「自己用」と「非自己用」に分類される。自己用は本人や配偶者、直系の親族が実際に居住している住宅に限定され、一人につき国内に3戸までと定められている。来年の税率では自己用の税率は据え置きもしくは引き下げになる一方、非自己用は特定のケースを除き、現行の1.5~3.6%から2.0~4.8%に引き上げられる。
財政部の関係者は、税率の調整により非自己用の住宅を所有する多くの人が増税になると説明。税率の調整などによって住宅を多数所有する人への税負担を増やすことを合理化するとした。一方で、賃貸市場への住宅の供給増を狙い、住宅を他者に貸し出す場合は、一定の条件を満たしていれば現行より低い税率が適用されると話した。
財政部の最新の統計によると、全国で非自己用の住宅を所有する人は今年、56万3100人で昨年より約1万7千人増加した。所有戸数別では1戸、2戸が増加しており合わせて約53万人。一方で3戸以上は減少傾向にあり、中でも税率調整以降、最高税率の4.8%が適用される可能性がある7戸以上の所有者は昨年より247人減って3482人だった。
前出の財政部関係者はこれについて、住宅の数が増加している他、一部の所有者が不動産を子供に贈与・譲渡していることが関係していると述べた。