(高雄中央社)台湾で初めてとなる高緯度遠洋での活動に対応した巡視船のキール(竜骨)の据え付け式典が28日、南部・高雄市で行われた。頼清徳(らいせいとく)総統はあいさつで、2032年までに計6隻を建造する予定だとし、来年には1隻目の引き渡しを実現したいと語った。
頼総統は、蔡英文(さいえいぶん)前総統が4年前、違法操業への対策として129億台湾元(約590億円)以上の予算を計上し、巡視船建造プロジェクトを支持したと説明。台湾の遠洋パトロール能力を強化し、国家の海洋主権と国民の安全を守る政府の決意を示すと語った。
台湾国際造船(高雄市)が建造するこの巡視船は内燃エンジンとバッテリー電源を組み合わせたハイブリッド推進システムを初採用すると説明。航続距離は台湾を30周できるほどで、後方の甲板には救援物資やさまざまな用途のボート、無人機などを搭載可能で、海洋パトロール任務だけでなく、離島の物資輸送にも対応し、漁業取り締まりや人道救助能力が大幅に向上すると述べた。
また政府が推進する艦船の国産化政策の歩みは止まらないと強調。立法院(国会)に対しては超党派での予算支持を求め、海洋をより安全に、台湾の民主主義と自由を持続可能なものにしたいと語った。