(台北中央社)商業施設建設を巡る収賄や政治献金横領などの罪で起訴された第2野党・民衆党主席(党首)の柯文哲(かぶんてつ)被告が27日、保釈金3000万台湾元(約1億4000万円)を納付し、保釈された。自宅前で談話を発表し、「自分は利益を図ったり、汚職や違法行為をしたりする人ではないと信じている」と訴えた。
勾留は9月5日から114日続いた。柯氏は午後1時ごろ、台湾台北地方法院(地裁)の出入り口に姿を見せ、車に乗り込んで台北市内の自宅に向かった。同1時17分ごろに自宅に到着し、集まった報道陣に談話を発表した。
柯氏は、拘置所で最も落ち込んでいた時に「阿北(柯氏の愛称)頑張って」とこっそりと声をかけられたり、ジェスチャーで励まされたりしたと明かし、多くの人の励ましがあったからこそつらい時を乗り越えられたと感謝した。また「人は生きていると毎日順調ということはあり得ない。困難に直面する時もある」と述べ、「神が人生を省みる機会を与えてくれたことに感謝する」と語った。感極まって声を詰まらせる場面もあった。
商業施設建設を巡る贈収賄や政治献金横領事件を捜査していた台湾台北地方検察署(地検)は26日、柯氏ら11人を腐敗防止条例違反や政治献金横領罪などで起訴した。台北地裁は27日までに、勾留されていた柯氏を含む被告5人全員の保釈を認め、各被告に住居や海外渡航の制限などを命じた。
台北地検は台北地裁の保釈決定を不服として、抗告を申し立てる方針を示している。