(東京中央社)与党・民進党の林右昌(りんゆうしょう)秘書長は10日、自民党の高市早苗前経済安全保障担当相と東京・永田町の衆議院第一議員会館で会談し、国際情勢や安全保障について意見交換した。林氏は、台湾と日本は友達のようであるだけでなく、家族のようでもあると語り、台湾に関心を寄せる多くの日本の友人と共に努力することで、台日の交流や政党間の関係は安全保障を含めてさらに緊密になり、さらなる協力をしていけることだろうと期待を寄せた。
林氏は冒頭、高市氏が長年、台湾の安全保障に関心を寄せ、台湾の人々を思いやる発言を多くしてきたことに頼清徳(らいせいとく)総統に代わって感謝の意を伝えた。
また、「台湾有事は日本有事」との認識に触れ、「実はそれだけではない。台湾に何か起これば、それは世界有事だ。台湾と民主主義国家は必ずや共に努力しなければならない」と訴えた。その上で、高市氏の発言が多くの日本人にこの問題を認識させるきっかけになったことに感謝した。
高市氏は民進党が引き続き政権運営を担うことにエールを送り、「これはアジアの安全保障に関わる」と言及。仮に中国が台湾を統一し、中国の法律が台湾に適用されるようになれば、日本や米国にも工場を設置する半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)も中国の法律の下に置かれることになり、米国にとっても大きなリスクになるだろうと懸念を示した。
高市氏は来年2月に台湾を訪問する意向を明らかにした。一方で、衆議院で三つの委員会を掛け持ちしているため、台湾にできるだけ長く滞在するためには党の国会対策委員会の承認が必要だと説明した。台湾で訪れたい場所を報道陣に尋ねられると、面会したい人物として頼総統や唐鳳(オードリー・タン)前数位発展部長(デジタル発展相)の名を挙げた他、南部・高雄市にある安倍晋三元首相の銅像も訪問したいと話した。
林氏は7日から日本を訪問。9日には自民党の森山裕幹事長、中曽根康隆青年局長、国民民主党の古川元久代表代行、玉木雄一郎衆院議員、10日には日本維新の会の前原誠司共同代表、立憲民主党の野田佳彦代表、小川淳也幹事長らとも面会した。10日夜に帰国した。