(台北中央社)林佳竜(りんかりゅう)外交部長(外相)は11日、中央社の単独インタビューに応じ、台湾と日本は米国が構築を進める各国間の「格子状」ネットワーク戦略の枠組みの下で軍事や安全保障分野での交流を強化させるべきだとの考えを示した。
林氏は日本の石破茂首相が提唱する「アジア版北大西洋条約機構(NATO)」構想について、台湾はとりわけ関心を寄せ、インド太平洋地域や中国が設定する防衛ライン「第1列島線」の平和を守る上で、日本がさらに重要な役割を果たすよう期待していると述べた。
また、台日間には、台湾との関係の在り方を定めた米国内法「台湾関係法」のような基礎がないと指摘。そのため、米国を通じて、日本や韓国、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドといった国々と結び付く必要があるとの見解を示した。
また現在、第1列島線の防御強靭(きょうじん)性を高めようと、世界で多くの枠組みの構築が進められていると言及。日米豪印の4カ国の枠組み「QUAD(クアッド)」や米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」、先進7カ国(G7)の声明、国防・外交当局による対話などを例に挙げた。このため、台湾も、米国が構築を進める少数国による協力枠組み「ミニラテラル」または各種の格子状の多国間戦略枠組みに加わり、これによって権威主義の脅威に対抗していきたい考えを述べた。
林氏は、日本とは地政学上、軍事や安全保障分野の交流を強化させる必要がある他、非軍事面での連携も重要だと強調。だからこそ台日間で自由貿易協定(FTA)のような経済連携協定(EPA)を締結できることを望むとし、こうしてこそ台日交流を根本からさらに高いレベルに引き上げることができるとした。