(台北中央社)卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は16日、詐欺防止のための費用として73億台湾元(約320億円)を来年度の中央政府予算案に計上したと述べた。詐欺撲滅に向けたエコシステムの形成を図るとしている。
詐欺防止に向けた民間銀行の取り組みを視察した際に語った。卓氏は今年5月20日の頼清徳(らいせいとく)政権発足前に発表された世論調査で、新政権に期待する政策として、詐欺の撲滅に対する関心の高さが示されたことに言及。政府の責任は重大だと語った。
詐欺を撲滅するには銀行の窓口に頼るだけでなく、詐欺防止の過程をエコシステムに変える必要があると指摘。詐欺集団の手口やあり様は想像を超えるものだからだと理由を説明した。政府と民間企業がいかにして詐欺集団に対抗しているかを国民に知らせ、啓発や報告などを通して、情報が本当かどうか問い合わせたり、調べたりするよう伝えるのが政府の責任だと強調した。
行政院院会(閣議)は先月22日、2025年度の中央政府予算案を決定した。詐欺撲滅関連予算は今年度に比べ、4.8倍に増えた。