(台北中央社)国家発展委員会の劉鏡清(りゅうきょうせい)主任委員(閣僚)は18日、9月に始まる立法院(国会)の次の会期で提出される「外国専業人才招聘雇用法」改正案について、最もハイエンドな人材の永住権取得条件を緩和し、ポイント制で条件を満たせば最短1年で取得可能とすることが目玉の一つだと明らかにした。現時点では年収の要件を600万台湾元(約2900万円)以上に設定する計画だとしている。
外国人人材の誘致やつなぎ留めに力を入れる台湾。劉氏によれば、同委は2028年までに12万人の外国専門人材を誘致する目標を掲げる。外国人留学生の台湾での就職を拡大させる他、IT技術を利用して働きながら旅をする「デジタルノマド」向けのビザを導入するなどの方策を進めていく方針。
ハイエンド人材の獲得について劉氏は、最短1年での永住権取得は日本を参考にしたと説明。「グローバルエリートビザ」を導入予定だとし、年収や学歴などの項目ごとにポイントを設け、合計点によって優遇措置を与える。同委の担当者によれば、現時点で検討している「年収600万元」の要件は、日本が年収要件を活動内容によって「2000万円以上」(約400万元以上)または「4000万円以上」(約800万元以上)と規定していることを考慮したという。
同委担当者によると、同委が現在準備を進めているデジタルノマドビザでは、最長で6カ月の滞在を認める。現行の規定ではデジタルノマドとして訪台する人の多くはノービザや観光ビザを利用しており、滞在できるのは最長で3カ月だった。担当者は、すでに同様のビザを導入している日本や韓国、タイなどの近隣諸国での滞在を終えたデジタルノマドの受け皿となれるよう、早期に導入したい考えを示した。法改正は不要で、外交部(外務省)との調整が済めば迅速に始動できるという。