(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統が米誌タイムのインタビューで、中華民国と中華人民共和国は「互いに隷属しない」と改めて発言し、蔡英文(さいえいぶん)前総統や野党・国民党の馬英九(ばえいきゅう)元総統も「互いに隷属しない」との立場を表明していたと述べたのを受け、馬英九基金会の蕭旭岑執行長(CEO)は13日、頼氏の発言に反発した。台湾で対中政策を担う大陸委員会の邱垂正(きゅうすいせい)主任委員(閣僚)は14日、「互いに隷属しないのは客観的事実であり、台湾海峡の現状だ」との見解を示した。
頼氏は先月20日の就任演説で、「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」と発言。タイム(電子版)が13日に公開したインタビューでは同発言について、「述べたことは事実だ」と語った上で、改めて「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」と繰り返した。また、馬氏も総統在任中に「両岸は互いに隷属しない」と話していたと指摘した。
蕭氏は13日夜、報道資料を通じ、「『両国は互いに隷属しない』と『両岸は互いに隷属しない』は絶対に異なる概念だ」と反発。「頼氏にその力量があるのなら即座に台湾独立を宣言し、中国語を解さない外国人を言葉遊びでだますのはやめよ」と訴えた。
邱氏は14日の立法院(国会)出席前に報道陣の取材に応じ、馬氏基金会が指摘する「両国」と「両岸」は異なる概念だとの意見への見解を問われた。邱氏は、中華民国は主権国家であり、対内的に最高で、対外的には独立していると言及。同委は中華民国憲法の条文をくまなく調べたとし、「中華民国は世界のいかなる国や地域にも隷属しない。そのため、互いに隷属しないのは客観的事実であり、台湾海峡の現状だ」と述べた。