(台北中央社)行政院院会(閣議)は6日、先月28日に立法院院会(国会本会議)で可決された国会職権関連法改正案について審議のやり直し(再議)を求める案を決定した。卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は席上で再議の請求について、決して与野党間の対立や衝突を高めるものではなく、国会が憲法に基づいて政治を行う過程を通じて法案の内容を再度審議し、憲法や国の利益に合致する最大の共通認識を探り出すことを望むものだと述べた。
立法院は先月、同法改正案の審議を巡って紛糾。少数与党の民進党が議論を呼びかける一方で、最大野党の国民党と第3党の民衆党などの賛成多数で可決された。法案には国会での答弁者が質問の回答を拒否するなど国会を軽視する行為をした場合や政府機関や企業、団体などが資料の提出などを拒んだ場合などに過料を科すことや、総統による立法院での報告の定例化が明記された。また総統が立法委員(国会議員)から口頭での質問を受けた場合には速やかに回答するよう規定する文言が追加された。刑法に「国会軽視(議会侮辱)罪」を追加する法案も併せて可決された。
行政院院会は7点の理由に基づき同法改正案の執行が困難だとして再議を求めた。理由には、実質的な議論がなく、民主主義の原則に違反する▽二元代表制を混同しており、総統に対する質疑は憲法に違反する▽正当な法律の手続きを軽視しており、手続き的公正さに欠ける▽「国会軽視」の定義が不明確で、立法院の職権を恣意(しい)的に拡大する─などが挙げられた。
再議の請求案は今後、頼清徳(らいせいとく)総統の許可を経て正式に発効する。中華民国憲法追加修正条文では、再議時には立法委員総数の過半数(57人以上)が原案の維持を決議した場合には、行政院長はこれを受諾しなければならないと定められている。