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総統選/中国が台湾の人気バンドに圧力か 与野党が立場表明

2023/12/28 18:44
「自伝」で2017年の金曲奨華語アルバム賞に輝いたメイデイ(五月天)
「自伝」で2017年の金曲奨華語アルバム賞に輝いたメイデイ(五月天)

(台北中央社)総統選を来月に控える中、中国当局が中国でも絶大な人気を誇る台湾のロックバンド、メイデイ(五月天)に対し、親中的な発言をするよう圧力をかけたとロイター通信が報じたのを受け、与党・民進党と最大野党・国民党の各陣営はコメントを発表した。民進党の総統候補、頼清徳(らいせいとく)副総統の陣営は「野党陣営は共に北京を非難すべきだ」と訴え、国民党の総統候補、侯友宜(こうゆうぎ)新北市長の陣営は「事実であれば強く非難する」と表明した。

ロイターは28日、複数の関係筋や台湾当局の内部文書の情報として、中国の国家ラジオテレビ総局がメイデイに対し、台湾は中国の一部であるとの中国側の主張に公式に支持を表明するよう要求したと報じた。

頼氏の選挙事務所の広報担当、趙怡翔氏は、中国がメイデイに対して政治的立場を表明するよう圧力をかけたと報じられたことは、対岸が手段を問わずに全力で総統選と立法委員(国会議員)選の投票行為に影響を与えようとしていることを改めて浮き彫りにしたと指摘。投票日が近づくに伴い、中国による選挙介入の動きは必ずやさらに大きくなるだろうとの見方を示し、野党陣営は勇敢に立ち上がって共に北京を非難し、台湾の民主主義に二度と介入しないよう対岸に強く求め、民主主義の価値観と精神を守るべきだと呼びかけた。

侯氏の選挙事務所で広報を担当する王敏旭氏は、関連の情報について中国側から公式なコメントはまだ出されていないとした上で、事実であれば選挙事務所として強く非難するとの立場を示した。中国大陸はアーティストに対して政治的立場の表明を強要すべきではないとし、音楽や芸術への政治的干渉は台湾の人々の感情を傷付け、両岸(台湾と中国)の交流にとって何のメリットもないと指摘した。

国民党の副総統候補、趙少康氏は報道資料を通じ、報道内容が事実ではないことを望むとし、事実であれば中国大陸に対し、圧力を即時撤回するよう厳正に伝えるとした。

(葉素萍、高華謙/編集:名切千絵)

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