アプリで読む
ダウンロード

総統選/民進党が馬前総統に疑念の目「中国が介入」=野党候補一本化で/台湾

2023/11/15 18:28
馬英九前総統
馬英九前総統

(台北中央社)来年1月の総統選に向け共闘を目指す最大野党・国民党と野党第2党・民衆党は15日、世論調査の結果を基に候補者を一本化することで合意したと発表した。与党・民進党陣営は同日、報道資料を出し、今回の協議に立ち会った国民党の馬英九(ばえいきゅう)前総統の背後に中国の存在があるとの見方を示し、馬氏の事務所が果たした役割に疑念の目を向けた。

総統選で野党共闘を模索してきた国民党と民衆党。だが候補者の一本化の方法に関してすり合わせが難航。国民党は野党共闘を支持する有権者を対象に予備選挙を行うことで候補者を選出する方法を主張する一方で、民衆党は複数の世論調査の結果の平均値を基に選ぶ方法の採用にこだわっていた。両党は15日、馬氏の立ち会いの下で協議を開き、今月7日から17日までに公表された世論調査の結果などを基に統一候補を決めることで合意した。

候補の選出方法を巡り、馬氏は10日、世論調査の結果を用いる方式への支持を表明していた。台湾の週刊誌、鏡週刊は15日、馬氏の基金会で執行長(CEO)を務める蕭旭岑氏が2日から5日にかけて中国・北京を訪れていたと報じた。

民進党の公認候補として出馬予定の頼清徳(らいせいとく)副総統の選挙事務所で広報を担当する陳世凱氏は15日、報道資料で、またしても中国が選挙に介入した事例であることは明らかであり、馬氏の心にあるのは一貫して中国の利益であり、台湾の人々の福祉ではないことの表れだと指摘。「中国から指令が届けば、馬氏の事務所はすぐに実行する」と批判した。また、頼氏が繰り返し述べてきた「全世界で最も民進党を引きずり降ろしたいのは中国共産党だ」との主張が決して出任せではないことが今回の件から見て取れると強調した。

民進党の広報担当者、張志豪氏は報道資料を通じ、今回の件を「天衣無縫の計画」だと皮肉交じりに形容。蕭氏が指示を受けて北京で命令を聞き、馬氏が命令を受け取ってから言いつけ通りに実行したとの見方を示した上で、馬氏は両党間の2度目の協議を速やかに実現させただけでなく、自ら指揮を執り、世論調査方式で合意するよう両党に求めたと批判した。また、いかなる方式による中国の選挙介入にも反対する民進党の立場を改めて示した。

(葉素萍/編集:名切千絵)

> 中国語関連記事
私たちはあなたのプライバシーを大切にします。
当ウェブサイトは関連技術を使用し、より良い閲覧体験を提供すると同時に、ユーザーの個人情報を尊重しています。中央社のプライバシーポリシーについてはこちらをご覧ください。このウインドウを閉じると、上記の規範に同意したとみなされます。