(ニューヨーク中央社)国連総会で一般討論演説が行われる中、蔡英文(さいえいぶん)総統は20日、米ニューヨークで開かれた非営利団体主催の大型イベントでビデオ演説し、台湾海峡の平和と安定を守る上での国際社会の協力の重要性を訴えた。
蔡総統はイベントを主催する非営利団体「コンコルディア」の招待を受け、事前録画したビデオメッセージを寄せた。蔡総統が同イベントで演説を行うのは、2年連続。
蔡総統は中国を「私たちの権威主義的な隣人」と形容し、台湾やその友人への最大限の圧力をかけるため、毎日数百万件に及ぶサイバー攻撃や頻繁な軍事行動、その他の形態でのグレーゾーン作戦を行っていると指摘。平和と民主主義を守るためには努力し続ける必要があるとした上で「増加し続ける中国の攻撃的な行動に対処し、地域と世界の安定を確保するためには、国際協力が不可欠」だと語り、協力を求めた。
約6分間に及んだ演説では、民主主義について複数回にわたって言及した。台湾の安全保障と国際参加は「共通の経済的利益や発展の促進だけでなく、自由や民主主義、人権の尊重というわれわれの幸福に不可欠な普遍的価値を守ることにつながる」と述べ、道のりが困難でもこれらの価値観への関与をぐらつかせてはならないと述べた。