(台北中央社)最高法院院長(最高裁判所長官)の引き継ぎ式が1日、行われた。高孟焄(こうもうくん)新院長はあいさつで、法的見解の統一の使命を担うとした上で、人材流失の問題の解決と良好な裁判環境づくりに意欲を示した。最高裁のトップに女性が就任するのは初めて。
台湾の最高裁判所は2021年、各裁判官に割り振る1カ月当たりの案件数に上限を設ける規定を廃止した。これにより、これまで未処理だった案件を現職裁判官が抱える状況になり、負担が増している。
高氏は、未処理案件は短期間で消化できないとし、新たな案件を加えれば、裁判官が処理しなければならない案件はますます多くなると指摘。裁判官の高齢化が進んでいることにも触れ、いかに人材流出を食い止め、つなぎ留めるかは就任後の最重要かつ最も困難な課題だと語った。
また安定的かつ裁判官の負担を軽減できる裁判環境づくりに尽力し、状況は悪化させないと決意を表明。人は全ての根本であるとし、人事を安定させなければ、最高裁のあらゆることは推進できないと述べた。
許宗力(きょそうりき)司法院長は、豊富な実務経験と法学の深い知識で最高裁職員を導き、裁判と司法行政に革新をもたらしてほしいと高氏に期待を寄せた。