台湾の民間信仰において「土地公」は非常に重要な神様の一人として知られている。ほぼ台湾のどこにも土地公を祭る廟があると言えるが、台湾の行政機関の中で唯一、土地公廟が建立された所がある。
中部・南投県に位置し、道路の維持管理などを司る中華民国交通部(交通省)公路局公路人員訓練所中部訓練センターだ。敷地内に土地公廟が建てられた由来の一つに、2004年に職員が夢の中で、「土地柄や住民が優れているから、ここに住みたい」と土地公から告げられたという説がある。
同センターで講師を務める葉昶亨さんによれば、土地公はもともと近隣の村に祭られており、職員の夢枕に立ったのがきっかけとなり、センター内に新しい分霊廟ができた。そのお告げにより、廟内での火災被害を免れるなど、とても霊験あらたかだそうだ。
土地公はその土地の守り神で、「福徳正神」などとも呼ばれている。