南部・高雄市の寿山国家自然公園には外来植物が織りなす秘境がある。カーテンのように生い茂って神秘的な雰囲気を醸し出しているため、人気の撮影スポットとなっているが、実は在来の生態系を破壊する元凶だという。
園内の生態系に対する外来植物の影響を理解するため、同園は市内に位置する中山大学に調査を委託。14日に結果が発表された。
同研究グループによると、秘境はつる性植物キッスス・シキオイデスが形成した。他の木々に絡まり、太いつるの葉腋から赤い紐のような細長い気根を垂らすことから「一簾幽夢」という幻想的な名前がつけられた。だが、覆いかぶされた植物は日光を遮られ枯れてしまう。
同大によれば、園内に分布するキッスス・シキオイデスの面積は1975.2平方メートル。2014年の調査時と比べて8倍余り増加している。
同研究グループは自然豊かな同公園は高雄都市圏に近いため、市民らの憩いの場となっていると指摘。また、かつては一部の人が無許可で敷地内で外来植物を植え、現在も少数だが、山で自分の好きな園芸植物を栽培する人がいることに言及。
キッスス・シキオイデスを含む外来種はすでに寿山の生態系に脅威をもたらしており、固有の動物や植物の生態に影響を及ぼさないためにも、自宅の園芸植物を寿山で植えないよう呼びかけた。