使わなくなった古い牛舎を再利用した南部・屏東県の図書室が米国の国際的なデザイン賞「MUSE Design Awards 2023」のランドスケープデザインの部門で銀賞を受賞した。同県政府が16日発表した。
屏東県は台湾有数の農業県で、農家の人たちにとって牛は働き手として欠かせない存在だ。だが、時代の変遷とともに、牛は農村から姿を消し、牛舎も廃墟化した。農村の記憶を後世に伝えようと、同県は旧牛舎の改造に着手。リノベーションによって子どもが安全な環境で遊んだり大人たちと一緒に読書できる図書室に生まれ変わらせた。
「廍廍安全―幸福学堂」と名付けられ、牛舎の外観や構造を保ちながら、緑化や環境の美化にも配慮している。同県の周春米県長は子どもが親や祖父母と一緒に読書を楽しみ、自由自在に遊ぶる姿を目の当たりにすることができて非常に感動したと述べ、「幸せな読書体験をぜひ試してほしい」と来訪を呼びかけた。
同図書室はドイツのデザイン賞「ベルリン・デザイン・アワード2023」でも銀賞に輝いている。