斜陽産業の木工業に新しい命を吹き込もうと、3年前、消防士を辞めて大工さんに変身した若者がいる。南部・屏東県出身の郭俊男さんだ。今年27歳の郭さん。木工職人の父が高齢のため、4年間続いた消防士の仕事を辞めて家業を継ぐことを決めた。
「小さいとき、父と一緒に木彫りをやっていたので、興味があるのだ」と話す郭さん。自らの経験と美的センスを生かして古い体質を持つ木工業界に新しい命を吹き込みたい一心で工房を開設、循環経済の推進や木材の再利用に取り組む。
いらなくなった家具や取り外された梁、柱などでも、優れた台湾産ヒノキ使用のものがあり、そのまま処分するのはもったいない。この思いから、建物や家具の役目を終え、捨てられるはずだった木材が新たな姿としてお椀やお箸、サイドテーブルなどになった。郭さんの手によって。
(編集:荘麗玲)