(パリ中央社)パリ五輪の体操男子種目別鉄棒に出場した唐嘉鴻は、昨年2月の練習試合で左アキレス腱を断裂。選手生命が絶たれることにもつながりかねないけがを乗り越え、5日(現地時間)に行われた決勝では中国の張博恒と同スコアの13.966点で銅メダルを手にした。試合後のインタビューでは笑顔を浮かべながら、困難を経て生まれ変わったという意味の四字熟語「浴火重生」が頭に浮かんでいると語った。
東京五輪では、鉄棒では決勝進出を逃したものの男子個人総合で7位入賞を果たし、台湾勢としての新記録を達成。パリ五輪に向けて大きな期待が寄せられる中での負傷だった。だがその後は驚異的なペースで回復を見せ、けがから7カ月後の昨年9月にパリで行われた世界大会で種目別鉄棒の金メダルに輝いた。
5日の決勝では途中、落下のミスを出すも持ち前の負けん気の強さですぐに演技を再開。一度は失敗した技を成功させ、その後の演技もやり通した。
現在27歳の唐。試合後には、銅メダルにとどまったことに悔しさを見せながらも「これは一つのスタートに過ぎず、『もっと良い唐嘉鴻』に生まれ変わる」とコメント。さらに経験を積み、4年後の五輪では最高の成績をつかみたいと決意を口にした。