(台北中央社)電子機器大手の宏達国際電子(HTC)は23日、台湾証券取引所で記者会見を開き、仮想現実(VR)などのクロスリアリティー(XR)部門の一部を2億5000万米ドル(約390億円)でグーグルに売却し、一部の従業員が移籍すると発表した。今年第1四半期(1~3月)に取り引きを完了させるとしている。
HTCは2015年からXR分野に進出していたが、健全な収益構造を構築できず、26四半期連続で赤字となっていた。
会見で法務担当幹部は、守秘義務に関わるとしてグーグルに移籍する具体的な人数や比率については言及を避けたものの、報道陣の取材に対し、HTCの事業は影響を受けないと説明。現在の事業やカスタマーサポート、新商品の研究開発は継続するとした。またグーグルと今後の協力の機会について話し合うとし、共通の目標は、より多くの消費者や企業、開発者が参加できるVRの生態系を引き続き拡大させることだと語った。
グーグルは、基本ソフト(OS)「アンドロイドXR」のプラットフォームを24年12月にリリースした。HTCとの取り決め締結を通じ、XR分野の目標に向けてより一歩前進したいと強調した。