(サンフランシスコ中央社)米サンフランシスコで15~17日に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に台湾の特使として出席する半導体受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀(ちょうちゅうぼう)氏が米西部時間14日、現地に到着した。宿泊したホテルでは華僑ら約50人が張氏を待ち構え、「台湾頑張れ」などと声援を送った。
APECにはアジア太平洋地域の21の国・地域が参加。張氏が特使として起用されるのは民進党政権下で7回目、蔡政権下では6回目となる。サンフランシスコ空港で張氏は蕭美琴(しょうびきん)駐米代表(大使に相当)の出迎えを受けた。
ホテルに到着した張氏は、バイデン米大統領と面会するかとの報道陣の問いかけには応じず、同行している張淑芬夫人が「着いたばかりだから」とだけ答えた。
現地の華僑団体の関係者は、国際社会に台湾をさらに認識してもらい、理解してもらうよう張氏が働きかけるとし、「大きな後押しになる」と期待を寄せた。
出発前に桃園国際空港で会見した張氏は、蔡英文(さいえいぶん)総統から4つのメッセージを付託されたと説明。台湾がアジア太平洋地域の平和と繁栄に尽力することやパートナーの国々と共にエネルギー転換による気候変動の緩和、より強靭(きょうじん)で柔軟性のあるサプライチェーン(供給網)の構築、地域内デジタル格差の解消に取り組むことが含まれるとした。