(新北中央社)台北教育大学の楊孟哲・非常勤教授が、日清戦争後に日本が台湾を領有した1895年前後に撮影された写真を収集している。すでに集めた写真の枚数は200を超え、あまり知られていない台湾史の空白を埋める作業に取り組んでいる。
撮影に関する学術的背景を持ちながら、日本留学を経て政治学や社会学、美術教育などを学んだ楊さん。日本の図書館や古物商、文化財・歴史的遺物の収集家を訪ねるなどして、貴重な写真を収集し続けている。1945年の台湾光復(日本統治の終結)前後の写真は比較的多く整理されている一方、日本統治時代の開始直後には大きな空白の期間があると指摘する。
楊さんが収集した写真には、台湾の運命を決定づけた会談の様子や、日本軍が北部から南進して台湾を占領した過程、抗日勢力が樹立した台湾民主国崩壊後の戦いの様子などが含まれる。戦勝者だけでなく、戦火の中で懸命に暮らした庶民の姿も写されている。
「歴史の記憶は時間の経過とともに薄れてはならない」。楊さんは白黒写真を通じて、後世に台湾史の決定的瞬間を理解してもらいたいと話す。
楊さんは映像作品の制作にも尽力している。第2次世界大戦中に台湾人日本兵となり、戦後シベリアで抑留生活を送った頼興煬さんの人生を追った2022年のドキュメンタリー映画「いつの日にか帰らん」(有一天我会回家)は昨年、東京ドキュメンタリー映画祭で上映された。
今年1月には中国・上海を訪れ、頼さんの当時の足跡をたどった。楊さんは、いずれの取り組みも歴史の証言者に対する実践だとし、戦後に忘れられた歴史を浮き彫りにする試みだと語っている。
