(台北、東京中央社)日本の外務省が主催する第18回日本国際漫画賞の受賞作品が16日に発表され、台湾人漫画家、左萱さんの「芭蕉の芽」第2巻が優秀賞に選ばれたことが分かった。左萱さんは中央社の取材に、「うれしい」と喜びを語り、受賞が物語をより遠くに伝えるシグナルになればと期待を寄せた。
芭蕉の芽は日本統治時代の1930年代を舞台に、左萱さんの母校である台湾師範大学(台北市)の前身、台北高校に通う性格の異なる2人の少年が協力し、雑誌を創刊する物語。
第10回日本国際漫画賞でも「神之郷 上」で入賞を果たした左萱さんは、これまでの作品と比べてストーリーやせりふに台湾ならではのネタをちりばめ、読者と100年前の高校生の間に共鳴を生み、親しみを持ってもらえるように描いたと話す。
作品のテーマと時代感に台湾以外の人が興味を抱くかどうかは創作時の悩みだったとしながらも、今回の受賞で評価を得られてうれしいと語った。
また芭蕉の芽は長編作品にする計画だったとし、今回の受賞で前進し続けるエネルギーをもらったと述べ、より多くの人を満足させられる続編を書きたいと意気込んだ。
李遠(りえん)文化部長(文化相)は18日、今後も引き続き漫画家と漫画産業を支援し、台湾漫画を国際舞台で輝かせると意欲を示した。