(台北中央社)日本統治時代に活躍した台湾人画家、陳澄波の生誕130周年を記念した特別展が3日、台北市の台湾博物館鉄道部園区で始まった。陳澄波の作品と同館が所蔵する動植物などの標本が併せて展示され、台湾独自の美しさが表現されている。
陳澄波は1895年、南部・嘉義で生まれた。1924年、東京美術学校(現東京芸術大)に入学し、26年には油絵作品で台湾人として初めて帝国美術院展覧会(帝展)に入選した。特別展では「北回帰線地標」、「農家」、「東台湾臨海道路」、「涛声」、「玉山積雪」などの作品を展示。海流や季節風、気候などといった台湾の環境や台湾に影響を与える自然現象を紹介している。
李遠(りえん)文化部長(文化相)は2日に行われた記念式典で、陳澄波が台湾の核となる生命力を描き出しており、とても感動したと語った。
台湾博物館の陳登欽館長は、陳澄波の芸術作品を振り返るだけでなく、台湾文化と自然を探索する機会だとし、作品を通じて自然現象が台湾の生態環境や文化の特色をどのように形作るかというのは新たな試みだとした。
特別展は来年5月11日まで。