(苗栗中央社)中部・苗栗県の廟(びょう)、白沙屯拱天宮の媽祖巡礼が18日未明、始まった。台湾で広く信仰される航海の女神、媽祖の像を乗せたみこしと共に、廟関係者や信者らが同宮と雲林県北港の北港朝天宮との間の往復400キロ近くを9日間かけて歩く。今年は過去最多の約18万人が事前に参加を申し込んだ。
約200年の歴史がある同宮の媽祖巡礼は、国の重要民俗文化財に指定されている。巡礼に決まった経路はなく、媽祖がみこしを揺らして神意を表すことで決まるとされている。
開始前日の17日、同宮周辺は一日を通じて賑わいを見せた。蔡英文(さいえいぶん)総統や頼清徳(らいせいとく)副総統、江啓臣(こうけいしん)立法院副院長(国会副議長)など政界の要人もそれぞれ現地を訪れて参拝した。
18日午前0時半過ぎに媽祖像をみこしに乗せる儀式が行われ、その後「進むぞ、進むぞ」の声と共に巡礼が開始。沿道では爆竹や花火が放たれ、隊列は数キロに及んだ。
仲間と一緒に巡礼に臨んだ参加者の男性は、媽祖と共に歩き続ける予定だと話し、媽祖の休憩に合わせて持参のテントを張って休み、媽祖が動き出せばまた歩み始めるとし「とにかく媽祖の歩みについていく。どんな環境でも平気」と語った。
台中市と彰化県を経由し、沿線の廟や施設に立ち寄りながら北港を目指す。23日午前に朝天宮に到着し、24日未明に同宮の灯明を受け取る「進火」が行われる見込み。復路は往路よりも速く進み、拱天宮への帰着は26日午後を予定している。