(台北中央社)タイワンツキノワグマ(台湾黒熊)が人気キャラクター「くまのプーさん」にパンチを見舞うワッペン。国防部(国防省)が9日に公開した写真に写っていた戦闘機の操縦士の腕に着けられていたものだ。発案したのは退役軍人の徐福佑さん。「(操縦士にとって)精神の戦力だ」。軍を応援する思いをワッペンに託した。
蔡英文(さいえいぶん)総統がマッカーシー米下院議長と会談したことへの対抗措置として、中国軍は10日までの3日間、台湾周辺でパトロールと軍事演習を実施した。対応に当たった国防部(国防省)は9日、IDF(経国号)戦闘機の操縦士が機体の点検に当たる姿を捉えた写真を公開した。
色鮮やかなワッペンは深緑のジャケットでひときわ目を引く。中国の習近平国家主席を示す隠語に使われるプーさん。手に持つ蜂蜜のつぼには「五星紅旗」と同じ5つの黄色い星が刺しゅうされている。
一方、プーさんを撃退するタイワンツキノワグマが握っているのは中華民国国旗だ。下方には英語で緊急発進を意味する「スクランブル」の文字が入れられた。
販売元は北部・桃園市でミリタリーグッズを販売する「鉄鳥迷航空文創館」。店主の徐さんも空軍の一員だった。昨年から中国の軍用機が頻繁に台湾周辺に派遣されるようになり、軍を応援しようとワッペンを制作した。
色違いで2種類あり、「スクランブル」の文字に加え、それぞれ「24時間体制で待機」「自由のために闘う」と英語でデザインされている。自主的に制作したもので軍とは無関係。一般向けに販売しているという。
国防部の写真を見て初めて使っている操縦士がいるのを知ったという徐さん。軍人のワッペンが多様に変化していくのは良いことで士気向上にもつながると喜び、今後も創作を続けていくと意気込んだ。