(台南中央社)格安航空会社(LCC)のタイガーエア台湾(台湾虎航)は23日、南部・高雄―熊本線と同・台南―熊本線をそれぞれ就航させた。同社が台南を発着する国際線を運航するのは初めて。台湾の中部・南部市場の開拓、日本市場を深耕する決意の表れだとしている。機内では両路線限定の機内食も販売される。
両路線は毎週火曜と金曜にそれぞれ1往復運航する。同社の黄世恵董事長(会長)は高雄からの初便に乗り、熊本空港で開かれた記念式典に出席した。
黄董事長は両路線について、南台湾と九州の距離を大幅に縮めるとともに、台湾側では高雄と台南のどちらからも出入りできる柔軟な選択肢を提供すると強調。高雄、台南、熊本にはいずれも半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の工場があることに触れ、台日の半導体回廊がつながり、産業協力と交流の新たな一ページが開かれると語った。
また台南空港で行われた記念式典には黄偉哲(こういてつ)台南市長が出席。新型コロナウイルス収束後としては初の国際定期便の就航になるとし、産業や観光面での往来に寄与すると語った。
一方で、路線の維持は開設より難しいと指摘し、25日に就航する台南―沖縄線と合わせて全ての便が満席となり、台日交流がより活発化することに期待を寄せた。
熊本線の機内で限定販売されるのは、台南の飲食業者が監修した東坡肉(トンポーロー)の機内食。同社は「台湾の古き良き味わいと温かみを感じられる一品」だとしている。

