(台北市内)国際フォーラム「台日科学技術対話」が20日、台北市内で行われ、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(大使に相当)が出席した他、甘利明元経済再生担当相が基調講演を行った。
フォーラムは台湾のシンクタンク、台湾日本研究院などが主催。「AI時代における台湾と日本の科学技術イノベーションとサプライチェーン協力」をテーマに行われた。
片山氏はあいさつで、AI(人工知能)の発展には半導体技術の発展が不可欠だと言及。台湾は世界有数の半導体製造拠点を有し、日本は製造装置や部素材の分野で強みを持つことから、双方が連携することで技術革新の推進とサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化を図ることは、極めて意義深いと述べた。
甘利氏は基調講演で、第1次トランプ政権の時代にトランプ氏と交渉した経験を振り返り、日本が交渉のカードを段階的に示す戦略を取ったことで、トランプ氏の関心を引き付け、より多くの情報と成果を得られたと述べた。
また、半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)と日本政府が支援する半導体企業ラピダスについて、両社は競争相手であると同時に補完関係にもあると指摘。TSMCは歩留まりが高い大量生産、ラピダスは顧客に合わせた少量・多品種生産の路線を取っているとした上で、産業内に競争が存在することは健全な発展の確保という観点から非常に重要だと語った。