(高雄中央社)南部・高雄市の名門校、高雄女子高校の前身である高雄高等女学校を日本統治時代の1943(昭和18)年に卒業した台湾人女性が、現在も存命だったことが分かった。高雄女子高の鄭文儀校長は2日、女性の自宅を訪ね、復刻した当時の卒業アルバムを女性に手渡した。
同女学校は1924(大正13)年に創立し、今年100周年。今年初めに祝賀行事の準備をしていた際、隣人が同女学校の卒業生だとする情報提供があった。
女性は孫陳錦境さん。孫陳さんの兄で台湾大学法律学部の教授だった陳棋炎さんは、陳時中(ちんじちゅう)行政院(内閣)政務委員(無任所大臣)の父として知られる。
高雄女子高によると、孫陳さんは男女区別することなく育てられ、台湾人子弟が通った苓仔寮公学校を卒業後、首席で同女学校に入学した。109人いた同級生の中で、試験に合格して入学した台湾人生徒はわずか5人だった。
また孫陳さんは、当時の教師は厳しく、学業だけでなく書道や茶道、華道、裁縫、接待、舞踊、体育、武術、農事に精通することが求められたとし、体育が苦手だった孫陳さんは体育教師の厳格さに困ったとするが、同女学校時代は人生の中で最も楽しかった時期だったと話したという。
高雄女子高では11月に祝賀行事が行われる予定。鄭校長は、当日は孫陳さんを招く他、卒業後に製図工として働いていた孫陳さんの絵画作品を関連の美術展で展示する方針を示している。