(台北中央社)26日に開幕するパリ五輪に台湾の代表選手らが「チャイニーズタイペイ」の呼称での出場を余儀なくされていることを巡り、米国人男性が関連のドキュメンタリー動画を制作した。「奇妙でばかげた呼称だ」と主張する男性は中央社の取材に、この問題を多くの人に知ってもらいたいと語った。
動画を制作したのは、ギャレット・クラークさん。台湾人の妻子を持ち、台湾に18年暮らしている。動画内ではなぜ「チャイニーズタイペイ」の呼称が使用されているかをアニメーションやインタビューを交えて詳細に伝えている。
クラークさんは、米国では幼い頃から自身のアイデンティティーは重要であると教えられ、「米国人ではない」と迫る人はいないと語る。動画制作のきっかけは、心配すべきなのは中国の脅威ではなく、ソフトパワーであることを多くの人に理解してもらいたかったからだと述べた。
「インタビューを通じて台湾人が仕方なく(チャイニーズタイペイという呼称を)許容しなければならない心情が見えた」、「わたしにとって『チャイニーズタイペイ』はそもそも存在しない」とクラークさん。パリ五輪開幕前に動画を公開することでより多くの人に「チャイニーズタイペイ」の名称に興味を持ってもらい、台湾の歴史的背景と課題を理解してもらいたいと話す。同五輪で台湾人が金メダルを獲得した場合、台湾の物語や問題が国際社会の目に留まることに寄与するだろうと期待も寄せる。
また台湾は世界でも重要な役割を果たしており、特に台湾の自由や民主主義制度は貴重なものだと強調。「台湾を支持することは民主主義を支持することで、中国を勝たせてしまえば、われわれは世界で最も偉大な民主主義の一つを失ってしまう」と警鐘を鳴らした。