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公文書を基に制作の作品が日本で漫画賞受賞 档案管理局、さらなる活用に期待/台湾

2024/02/16 12:57
台湾鉄路の資料を基に制作された漫画「青空のもと、風追う少年」
台湾鉄路の資料を基に制作された漫画「青空のもと、風追う少年」

(台北中央社)国家発展委員会档案管理局が保存する公文書を基に制作された漫画作品「青空のもと、風追う少年」が昨年12月、外務省が主催する第17回日本国際漫画賞で最優秀賞に輝いた。同局の林秋燕局長は中央社の取材に「漫画を通じた公文書の活用は第一歩であり、今後は映画やテレビ産業への進出を図りたい」と意欲を見せた。

「青空のもと~」は文化部(文化省)が重要古物(重要文化財)に指定し、同局が保存する台湾鉄路(台鉄)の資料を基に、第2次世界大戦末期、走ることをきっかけに出会い、日本の陸上競技史に名を残すことを夢見た台湾人と日本人の少年2人の物語を描いた。

林氏は、公文書の価値は高く、その分野は幅広いとしながらも、一般の人々は親しみが湧きにくいイメージを持っていると指摘。同局ではいかに活用し、多くの人に受け入れられるようにするか検討を重ねていたと語る。

そんな中、文化部が漫画に関するプロジェクトを推進していることを知り、公文書を漫画を通じて学生や世界に広められないかと思い立った。文化部と連携を図り、2021年12月に1冊目が出版された。「青空のもと~」は23年2月に出版された2冊目だ。いずれも好評で、多くの小中学校教師による推薦図書となった。

台鉄の公文書を選んだ理由について林氏は、地理や歴史の面で深みがあり、鉄道史や交通史などの研究素材にもなる他、生活に密着し、多くの鉄道ファンがいたからだと説明する。公文書は長年放置されていたため、著しく損傷し、ほこりにまみれていたが、専門スタッフの尽力により、閲覧可能な状態まで修復。出版社を通じて、台湾人漫画家、簡嘉誠さんとの協力が決まった。

長期間にわたる台鉄の公文書から物語の題材を見つけることは簡単ではなかったが、同局と簡さんは話し合いを重ね、戦後の時代を舞台に、台北大空襲やコレラの流行など、台湾の出来事を盛り込んだ。

国際漫画賞の受賞について林氏は、誇りを感じ、光栄に思ったと振り返る。映画やテレビ産業への進出を通じ、公文書をさらに多くの物語に変えられるのではないかと期待を寄せている。

(潘姿羽/編集:齊藤啓介)

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