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謝長廷氏が新刊 駐日代表時代の8年間記録 印象深いのは“ワクチン寄贈”/台湾

2025/03/16 17:06
台北市内で新刊発表会を開く謝長廷前駐日代表=2025年3月15日、中央社記者郭日暁撮影
台北市内で新刊発表会を開く謝長廷前駐日代表=2025年3月15日、中央社記者郭日暁撮影

(台北中央社)総統府資政(顧問)で前駐日代表(大使に相当)の謝長廷(しゃちょうてい)氏は15日、今月初頭に出版された、駐日代表時代の8年間を記録した著書の新刊発表会を台北市内で行った。謝氏は在任中の最も忘れられない瞬間について、日本政府から台湾に寄贈された新型コロナウイルスワクチンを飛行機に積み込んだ時だと語った。

謝氏は駐日代表を務めた2016年6月から24年8月までの期間には、北海道胆振東部地震(18年)や令和への改元、新型コロナウイルスの流行、東京オリンピックの延期、ロシア・ウクライナ戦争に端を発するアジア太平洋地域の情勢の緊張、安倍晋三元首相の銃撃事件、半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)熊本工場の開所などがあったと回顧。いずれも「100年に1度の大事件」だったと話した。

発表会の席上で謝氏はコロナワクチンの寄贈に関して、日本政府に支援を依頼する考えが浮かんだ時、法律や政治などさまざまな問題があったものの、時間的なプレッシャーを乗り越えて10日で全てを終わらせたと言及。ワクチンが専用機に積み込まれて機体のドアが閉じられた時には、飛行機に向かって深々と頭を下げずにはいられなかったと述べた。

また、台日で主張が異なる釣魚台列島(日本名:尖閣諸島)問題や慰安婦問題にも触れ、(日本側が台湾側と異なる主張を発表した時には)抗議はしつつも、声明を出したり記者会見を開いたりはしなかったと明かした。外交官が抗議の声明を出せば自国民には評価されるが、外交的には失敗となるとの考えを語った。

書籍の中国語のタイトルは「駐日八年台日友好記事簿:謝長廷『善的循環』再続」(仮訳:駐日8年台日友好の記録帳:謝長廷『善の循環』を再び)。日本語版の出版も予定しているという。

(温貴香/編集:田中宏樹)

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