(台北中央社)半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が米国で少なくとも1000億米ドル(約15兆円)の追加投資を行うことに関して、卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は4日午前、前向きに捉えているとの政府の立場を示した。
追加投資は同社の魏哲家董事長(会長)兼総裁(CEO)とトランプ米大統領が3日、ホワイトハウスで発表した。トランプ氏は追加投資により、半導体製品に高い関税が課せられるのを回避できるとした。
卓氏は立法院(国会)での施政報告の前に報道陣の取材に応じた。台湾の産業が海外展開を進める際、常に政府と密に連絡・連携を取っており、(企業と政府が)互いの考えや発展戦略について明確に理解していると説明。産業界の海外進出や国家全体の競争力を高めることに寄与するあらゆる取り組みに対し、政府は前向きに評価し、必要に応じて支援を行うとした上で、TSMCの今回の段階的な対米投資もこの原則に当てはまると述べた。
また、1期目のトランプ政権が始まったころから、台湾は経済・貿易で多くの調整を行ってきており、米国に対するさまざまな投資が実質的に発展・拡大している最中だと言及。対外投資は現時点で対米国が3割に達した一方で、対中国は7.5%まで下がっており、これは台湾の経済・貿易における重要な政策や戦略を示していると語った。
台湾の先端産業やその他の産業がどのような形で海外展開を行おうとも、台湾に根差し、台湾を強大にし続けるのが国や政府、産業界共通の立場であり、揺らぐことは決してないとした。