(台北、高雄中央社)労働部(労働省)職員が自殺した問題で、何佩珊(かはいさん)労働部長(労働相)は21日、卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)に辞表を提出し、卓氏はこれを受理した。行政院(内閣)の李慧芝(りけいし)報道官が22日、明らかにした。
同部の男性職員は4日、北部・新北市新荘区内の庁舎で死んでいるところを発見され、自殺と断定された。男性職員の死を巡り、職場内でのパワーハラスメントの存在が指摘され、同部は調査を実施。19日に公表した調査結果で、自殺の主な原因は業務過多だったとしつつ、職員が在籍していた労働力発展署北基宜花金馬分署の分署長に「管理の仕方や感情コントロールに確かに不適切な点があった」と説明した。同部は当初、分署長に対して異動と降格処分を下すとしていたが、世論から「処分が軽すぎる」との批判が噴出し、20日、懲戒免職処分を発表した。
しばらくは同部の陳明仁常務次長が代理部長を務める。李氏は、政府には公務員を守り、職場内いじめから遠ざける責任があるとし、行政院として職場内いじめに関して実名での通報の仕組みを設けるとし、スムーズで多様な通報ルートの設置によって職場内いじめを受ける人の訴えを二度と取りこぼさないようにすると強調した。
▽ 頼総統が再び謝罪 厳格に対処する姿勢示す
頼清徳(らいせいとく)総統は22日、亡くなった労働部職員に改めて哀悼の意を表し、遺族と影響を受けた関係職員に謝罪した。南部・高雄市で開かれた海軍の新庁舎の供用開始式典に出席した際、報道陣の取材に応じた。
また、政府として職員の自殺に関して厳格に調査、対処し、再発防止を徹底する姿勢を示した。また、関連の法律を見直し、不備があれば法改正を実施する考えも明らかにした。