(台北中央社)台湾台北地方検察署(台北地検)は31日、汚職容疑で事情聴取していた第2野党、民衆党主席(党首)の柯文哲(かぶんてつ)前台北市長を逮捕したと明らかにした。聴取が長時間に及び、断りなく取調室を離れようとしたため、検察官が共犯者や参考人らと口裏合わせをする恐れがあると判断し、逮捕したとしている。
柯氏は台北市長時代、市内に建設中の複合商業施設の容積率を巡り、開発業者に対して不正に便宜を図った疑いがあるとして30日、台北地検と法務部(法務省)廉政署による任意の聴取が続けられていた。
台北地検によれば、31日未明、聴取を拒否する意向を示した柯氏に対し、検察官は一度休憩できると説明したものの、柯氏が応じなかった。
台北地検は柯氏について、腐敗防止条例違反(不正に利益を図った罪)に関与した恐れがあり、柯氏が全ての聴取を終える前にその場を離れた場合、真相が分からなくなるリスクが高まる他、捜査の妨害にもなると、逮捕の理由を説明した。一方で柯氏の弁護士は、逮捕手続きなどを巡り審理を申し立てたが、台湾台北地方法院(地裁)に棄却された。