(台北中央社)立法院(国会)が先月可決した国会職権関連法と刑法の改正について、行政院(内閣)は6日、審議のやり直しを求める「再議」案を決定した。19日から全立法委員(国会議員)による立法院全院委員会で再議に関する審査が行われている。21日には、議決を維持するか失効させるかを決める採決が行われる。
両法の改正案は、立法院で少数与党の民進党がさらなる議論を呼びかける中、最大野党の国民党と第3党の民衆党などの賛成多数で先月28日に可決された。行政院がその後「実質的な議論がなく、民主主義の原則に違反する」などの理由で執行が困難だとして再議案を決定し、頼清徳(らいせいとく)総統の承認を経て正式に再議が立法院に請求されていた。
説明のために出席した卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は20日の答弁で、「台湾の民主主義が非民主主義に破壊されるのを望まず、台湾の言論の自由が言論の不自由に破壊されるのを望まない」とした上で立憲政治と言論の自由を守り抜くと語った。
立法院周辺では19日から、複数の市民団体が抗議活動を行っている。20日午前には50以上の団体が共同で記者会見を開いた。
シンクタンク、台湾経済民主連合の許冠沢副秘書長は、19日は高温や大雨にもかかわらず数千人の市民が立法院周辺に集まり「国会の職権乱用」と民主主義を後退させる法案への反対を示したと話した。
国会の監督を行う民間団体「公民監督国会連盟」の理事、潘威佑さんは、最近行われた複数の世論調査では過半数の人々が行政院による再議の請求を支持していると言及。野党の議員は間違いを犯すべきではないとした上で、人々は国会改革に反対しているのではなく、民主主義がないことに反対しているのだと述べた。
21日に行われる採決で立法委員総数の過半数(57人以上)が反対した場合には、行政院長はこれを受諾する必要がある。各党の議席数は国民党52、民進党51、民衆党8、無所属2。